<不正監査対応シリーズ>
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<不正監査対応シリーズ>
離職・解雇手続のチェックはOK?

前々回*「そんな不正があるの~?!」
前 回*「給与の不正支払」

と題して、人事・給与関係の不正対応についてまとめましたが、今回も人事関連の続編です。
人事管理の業務監査にあたって、再確認しておいた方が良い点をまとめておきたいと思います。

なお、今回は「不正」だけでなく「法的トラブル防止(予防法務)」まで含んだ内容になっています。

意外と甘いかも?! 退職時の手続

離職・解雇時の手続が十分なこと確認していますか?

これまでの経験から、退職時の手続の整備・運用が不十分でリスクが高い!と感じたのは海外子会社

ですが、国内の会社でも将来、重大なトラブルが発生するおそれがないわけではありません。

 

監査では、退職手続については以下のようなポイントについて問題がないか、チェックしておくのが安全です。

離職・解雇時の手続フローが整備されているか?

離職・解雇が発生した際に、各拠点(特に海外・国内子会社)で必要な手続きが漏れなく実施できるような手続フローが整備されていることを確認する。

※手続フローは、フローチャートの形式で表現されていなくても問題ありません。

■ 各拠点の手続フローの妥当性は、本社人事部で作成されている手続フローと比較し、確認する。

■社員の解雇は訴訟案件に発展することが多くあるため、本社人事部や法律事務所等に相談することが盛り込まれているか確認する。

 

離職手続におけるポイント

  • 離職手続き書類への離職者本人による署名の取得
  • 社会保険等の停止手続き
  • 人事マスターデータの削除
  • ユーザID及びシステム権限の削除
  • パソコンや携帯電話など貸与機器の返却
  • 企業機密情報持出しの防止と企業機密保持誓約書の取得
  • 業務引継ぎ書の作成と上司による内容確認
  • 人事部門による離職者への面談(今後の離職抑制対策のため) 等

 

解雇手続におけるポイント

離職手続と同じポイントの他、訴訟やコンプライアンス違反が発生しやすいため、以下のようなポイントにも留意されているか確認する。

  • 解雇に至った客観的な事由の記録
  • 現地の法定補償金の確認
  • 地域の相場に応じた上乗せ補償金の確認と決定
  • 差別的行為・取扱いが行われていないことの確認
  • 解雇制限期間(病気療養中 等)の確認
  • (労働組合員の場合)労働組合の合意 等

 

人事台帳の作成

社員を解雇するためには、就業規則や懲罰規程などの解雇事由に抵触しているという客観的証拠が必要です。また、会社を逆恨みし嫌がらせを行うようなケースもあります。

⇓ ⇓ ⇓

解雇が必要と考える社員については、あらかじめ勤怠や行動を台帳記録しておくことが求められます。

 

離職・解雇時の手続フローが運用されているか?

監査対象になった拠点で、実際に離職・解雇が発生している場合には、上記の手続フローやポイントに沿った運用が実践されていることを確認する。

ここで大切なのは、ヒアリングだけでなく、文書・記録などの業務実践の裏付けまで確認しておくことです。

 

追記

たとえば、『中国では「企業機密保持誓約書」を取得してもあまり意味がない』という方も、たまにいらっしゃいます。

が、懇意にして頂いている中国駐在の大手法律事務所の弁護士(日経新聞の活躍した弁護士ランキングにも掲載された方です)曰く、
「取得して有利になることはあっても不利になることはない。必ず取得しておく方がよい」とのこと。

今回、紹介した離職・解雇手続のポイントは、特に新興国などで発生しやすいトラブルに対応したものです。
これらのポイントを含む退職手続が、

「ウチの会社(グループ)で整理・見える化できているだろうか?」

「実際の離職・解雇時に実践され、リスクを十分低減できているだろうか?」

といった監査目線のお役に立てば幸いです!

 

(榎本成一)

 

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