補助簿の位置づけ・役割は？
補助簿は、主要簿と違って、必要不可欠なものではなく、会社が管理上、必要に応じて、作成、利用するものです。
補助簿には色々なものがありますが、日商簿記検定試験３級で出題される可能性のある補助簿には以下のようなものがあります。
〇現金出納帳・・・・・現金の増減を記録する補助簿
〇仕入帳・・・・・・・仕入の増減を記録する補助簿
〇売上帳・・・・・・・売上の増減を記録する補助簿
〇売掛金元帳・・・・・得意先元帳とも言い、得意先ごとの売掛金の増減を記録する補助簿
〇買掛金元帳・・・・・仕入先元帳とも言い、仕入先ごとの買掛金の増減を記録する補助簿
〇商品有高帳・・・・・商品の種類別に商品在庫の増減を記録する補助簿
〇当座預金出納帳・・・当座預金の増減を記録する補助簿
〇小口現金出納帳・・・小口現金の増減を記録する補助簿
〇受取手形記入帳・・・受取手形の増減を記録する補助簿
〇支払手形記入帳・・・支払手形の増減を記録する補助簿
補助簿は、取引の発生順にその内容を記録していく補助記入帳と、 勘定科目を相手先や内容によって区別して記録していく補助元帳に分けることができます。
先ほど紹介した現金出納帳や商品有高帳などの補助簿は、以下のように分けることができます。
しかしながら、現金出納帳は補助‘記入帳’、商品有高帳は補助‘元帳’という風に暗記する必要は全くありません。それぞれの補助簿はその性質によって分類されているということを、かる～く知っておくだけで十分です。
会社では、日々、さまざまな経費の支出があります。文房具や切手の購入、社員の出張費や慶弔費などです。このため、経理担当者は、商品売買取引などにおいて生じた現金を経費の支払いに充てた現金を区分して、ある程度の決まったお金を手許においておくのが通常です。これを「小口現金」といいます。仕訳の処理上、小口現金を設けるときは、「現金勘定の内訳として、「小口現金」勘定を設定します。
小規模な会社で、社内にある現金が１つの小口現金のみであれば、現金出納帳と小口現金出納帳は通常同じになるはずです。そのため、金銭管理部門が小口現金の精算を待ってから、直接現金出納帳を作成することもできます。
しかし、複数の部署に小口現金がある場合は、小口現金の精算を待って金銭管理部門で現金出納帳を作成するのは非効率ですので、部署ごとにそれぞれの小口現金を管理するために小口現金出納帳を作成しておいた方がよいでしょう。
（中井 達也）