簿記3級 スラスラわかる「支払手形記入帳」

支払手形記入帳とは、支払手形の増減を記録する補助簿です。

では、次の取引を支払手形記入帳に記帳してみましょう。


クマ商会は、次の取引を行った。

[4月5日]

ネコ商会からA商品を500円で仕入れ、代金は当店(クマ商店のことです。以下、同様)振出しの約束手形を渡した。

[4月15日]

3月5日に計上したトラ商店への買掛金1,200円の支払いのため、当店振出しの約束手形を渡した。

[4月20日]

3月10日に計上したネコ商会への買掛金1,000円につき、ネコ商会が振り出した指図人(受取人)をサル商会とする為替手形1,000円を引き受けた。

[4月30日]

3月31日にイヌ興業に振り出した約束手形1,500円の支払日が到来したため、当座預金口座より引き落としされた。


  • 摘要欄には、取引の内容を記入します。
  • 金額欄には、手形金額を記入します。
  • 手形種類欄には、約束手形を振り出した場合は「約束手形」、為替手形を引き受けた場合は「為替手形」と記入します。(注1)
  • 手形番号欄には、手形番号を記入します。これは振り出した手形に番号が記載されていますし、試験では問題文に記載があります。
  • 受取人欄には、お金を受け取る人を記入します。
  • 振出人欄には、手形の振出人を記入します。
  • 振出日欄には、振出日、満期日欄には、満期日を記入します。いずれも振り出した手形に記載されていますし、試験では問題文に記載があります。
  • 支払場所には、金融機関名を記入します。手形帳をもらった記入します。
  • てん末欄には、手形の決済と言った、その手形がどうなったかを記入します。

(注1)

上記の問題の4月20日の取引ですが、「為替手形」を引き受けるとしています。

手形には、約束手形と為替手形がありますが、一般に用いられているのは約束手形で、為替手形はほとんど流通していません。そのため、日商簿記3級(および2級)においては、為替手形の取引は出題されません。

 

従いまして、この取引は無視していただいて構いませんが、今後、日商簿記1級、公認会計士試験、税理士試験を目指そうと思ってらっしゃる方は、以下をお読みください。

上記の問題の場合、4月15日に振り出したのは「約束手形」で、当店(クマ商会)は、自分自身のトラ商店への買掛金の支払いのために、自分自身で「約束手形」を振り出していますので、振出人は「クマ商店」となります受取人はお金を受け取るトラ商店になります。

シンプルな取引ですね。

一方、4月20日に引き受けたのは「為替手形」ですので、ややこしくなります。

詳細な説明は以下のとおりです。

  • 当店(クマ商会)はネコ商会への買掛金があり、ネコ商会へ支払いを行う必要があります。
  • ネコ商会はサル商会から商品を仕入れているため、ネコ商会への買掛金があります。

また、ネコ商会は当店(クマ商会)へ商品を販売していますので、当店(クマ商会)からお金を受け取る権利があります。当店(クマ商会)から見ればネコ商会から仕入を行っているので、当店(クマ商会)はネコ商店へ支払いを行う必要があると言うことです。

  • ネコ商店からすれば、当店(クマ商会)から貰ったお金を、サル商会へ渡すことになるので、いっそ当店(クマ商会)から、サル商会にお金を支払ってもらったら、手間が減ります。
  • そのため、ネコ商会は自身のサル商会への支払いを、代わりに当社(クマ商会)にしてもらうように依頼するために、「為替手形」を振り出したのです
  • 従って、「為替手形」の振出人はネコ商会になります。受取人はお金を受け取るサル商会になります。

4月20日のクマ商会での仕訳は以下のとおりです。

(借方) 買掛金 1,000    (貸方) 支払手形 1,000

為替手形はややこしいですね。

 

ちなみに4月20日のネコ商会での仕訳は以下のとおりです。

(借方) 買掛金 1,000    (貸方) 売掛金 1,000

ネコ商会では、サル商会への売掛金をもって、当店(クマ商会)への買掛金の支払いを行ったというような形になりますので、上記の仕訳となります。

(中井達也)