前回、「そんな不正があるの~?!」と題して、給与関連(残業代狙い)の不正事例を紹介しました。
前回に続き、今回も給与関連の不正についてご紹介します。
手口は、前回と同じく、超単純!
とくに海外では古典的な不正で、発展途上国に限らず先進国でも注意を払っておく必要があります。
不正の概要・手口
・日系企業(海外グループ会社)A社で、現地社員のBさんが退職。
・退職後、A社の人事担当Xは、Bさんの人事マスターファイル(データ)を削除せず、給与振込先をXの親族の口座に変更。
・マスターに関する手続はXに一任されていた。(適切な処理が完了しているか、業務上の第三者確認はなし)
・Bさんが在職時にもらっていた給与相当分を、長期間にわたりXが横領。
この不正は、
管理・監視が甘くなりがちな退職手続の“スキ”を狙った犯行でした。
新たに架空のゴースト社員を人事マスターに登録する不正・横領も想定されますが、
新規登録(データ追加)の際にはチェックの目も行き届いているので、実は発生しにくいのです。
問題が起きやすいのは、データ追加でなくデータ削除・更新の場面。
監査でもきっちり確認しておくようにしましょう。
監査で確認しておきたいポイント
- 人員の動き(増減)については把握しておきましょう。(今回、紹介した不正だけでなく監査上の情報として)
- 「実際の在籍者数」と「給与を支払っている人員数」を照合しておきましょう。
これ、「人事マスターの登録人数」と「給与を支払っている人員数」では、ダメなんです。
この2つは基本的に一致します。今回の不正は、マスターが事実と異なっていることを検出することがポイントです!
- あと、内部統制面で退職時の社内手続が明確に定められており、そのとおりに運用されているかどうかを確認しておきましょう。
(退職手続として定めておくべき主な項目については、別のページでまとめようと思います)
今回、紹介した事例は日本では発生しにくい不正かもしれませんが、海外グループ会社では、確認しておきたい監査ポイントの1つです。
(榎本成一)
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